不在

いなくなる、という喪失

親しい言葉を掛け合った、愛情を注ぎ込んだひとが、そばにいなくなる喪失感

それにまだ慣れない

 

ミルクにもソファにも死の影を見てしまう

抱き合って眠る女を横でその寝息を聞いていても

洗濯物の陰で一緒にタバコを吸った

きみの口先から火を灯してもらうことで、心が晴れた気持ちがした

 

終わらない日々、夜が明け騒音に塗れる街、人混みの中にきみを見る、そうなるだろう

喪失感の似合わないぼくはきっともう見つからない、薄汚れた群衆のさなかにあっては