『超ポエトリー宣言』全作家紹介@インターネット文学フリマ

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架空文学フリマが開催されました。そして今回われわれは、短歌と散文詩の合同誌『超ポエトリー宣言』を頒布しております。ぜひBoothからご購入下さい。

https://yoruiroyozora.booth.pm/items/1565133

 未来派宣言、ダダ宣言、シュールレアリスム宣言に続く、超ポエトリー宣言。

 

 

以下、参加者の紹介です。

作家紹介①壺氏@Tub_ny8ny

イラストや演劇などで活躍。 1頁漫画「絵描きの恋人」を掲載。日常にひそむ人間の欲望を独特の審美眼でキャッチして描きだす方です。お洒落な感じのするタッチに、その底にひそむ毒気に惹かれるひとも多いのではないでしょうか。

 

 作家紹介②早乙女まぶた(@mabutast)

五編の詩作品「白紙の街へ」を掲載。「傘と包帯」主催。

「傘と包帯」といえば、さめほしさんの絵や岩倉文也さんなどが寄稿されているnote詩集ですね。興味ある方は是非、下記リンクからどうぞ。今回、まさに超ポエの”宣言”であるとも読める「白紙の街へ」を皮切りに、「卒業試験」や「眠りの庭」などの詩を寄稿いただいています。誠実にまなざすことにより、削ぎ落されるものがあり、何も見えなくなってからが本番のはじまりなのかもしれません。

”われわれが詩の新鮮な空気を呼吸するなら、それが古い言葉への復讐になる。われわれは束の間の存在である。保存欲求で腐敗した言葉はすぐにでも浄化しなければならない。制約は彼らによる自作自演である。与えられた申し訳程度の分け前が狐の葉のイリュージョンであったことを悟るとき、もはやわれわれに制限はない。

 

おはよう、

すべては許されている。”

              (『白紙の街へ』)

現実を見続ける者こそ現実の外に出る瞬間があることを教えてくれます。

https://note.com/kasatohoutai/n/n14419d504eab?magazine_key=mead52ade4308

 

作家紹介③左野ナオイ(@naoooi)

表紙を担当。デジタルと水彩を使いこなすナオイさんですが、今回は”地獄の門”をモチーフに、2015年の合同誌『Flippant Segment』の表紙の先へ進化するイラストとなっています。『Flippant Segment』では日常が断片と砕け散って、過去も未来もいっしょくたに絵の具に混ざるような光景でしたが、今回はその無限に重なり合った”日常”が”扉”となって、その奥の深淵が現れます。そこでこそわれわれの暗闇の暗闇、無意識の無意識、内面の内面へと階段を下ることができる……。

あなたも、少女のいざなう門の向こうへ……。

 

作家紹介④お前のことが大好き(@omaeigai)

以前青本舎から『グッバイグーグルアイ』の裏表紙や『問題のある子』の挿し絵などで拝見していて、依頼したところ快諾していただき、今回イラストを寄稿していただく運びになりました。ありがたいことや~~。

突き抜けるダークな感情とフェティシズムが混在するような、救済の方へ手を伸ばすようなイラストを描かれています。今回、精巧な芸術作品のような挿し絵を二枚掲載しています。その世界観を感じとってみて下さい!

 

作家紹介⑤かみしの(@KamisinOkkk)

粘菌歌会主催。「エモーショナルきりん大全」で第二回石井僚一短歌賞受賞。
短歌連作「グッメモ。」「花曜日」を掲載。
ポップエモーショナルな文体で現実を鋭く切り取るのが上手な方で、かみしのさんの文章、文字列を読んでいるとメロディが付随してくるような、そんな感覚になってしまいます。もしかしたら、文章にはそれぞれ筆者によって与えられた唯一の音律が存在していて、読者はそれを文章を自らに読み聞かせることで、曖昧に、微かではあれ、その音律を受け取っているのかもしれません……。

 

”しあわせを描けばそうとみなされる漫画を伏せて息継ぎの夜”

 

”ぼくたちのグッドメモリアれない夏ビールの新味やっぱりまずい”

                        (『グッメモ。』)

 

”花曜日 全国民はいっせいに花を抱いて午睡をすごす”

                         (『花曜日』)

 https://twpf.jp/KamisinOkkk

 

作家紹介⑥藤井夏子(@perorinkyu)

深みの強い漫画と短歌で活躍中。
短歌「ランドリー」を掲載。今作は生活の手ざわりを感じさせつつ、ちょっと散歩に出かけるような爽やかな出来となっております。奇を衒わず、生活の音の中でひっそりと自分だけがおもうようなこと。別にだれに言うわけでもなく、歩きながら抱えている違和感。そういったものを詩にする。そういったものが詩になることの。確かなあたたかみ、何度でも読みたくなりますね。
”生活のために詩があり今週も土曜日ようやく洗濯をする”
 
”良い時は電話しながら外へ出てそのままコインランドリーに行く”
 
”音楽が無いと時々わからない始まりと終わりがあることを”
                    (『ランドリー』)
 

作家紹介⑦相原ユキ(@sagamihara_0 )

挿絵を掲載。
虚無を愛でることにかけては職人の域。ちゃんとした統計と確かな実績の持ち主。ふわふわっとした概念操作によって犬とかサメになったりしてる。めっぽう気さくな性格のためか、現在(2019.9月現在)は抽象的な木として活動。そんな相原さんに今回もわんだふる!なイラストをいただきました。
 

作家紹介⑧象徴( @lenonsavoir )

「傘と包帯」などで活躍。
今回6篇の詩を掲載しています。詩篇からは静観と諦観の哲学に裏打ちされた透徹さが窺えます。研ぎ澄まされた言葉ゆえのきらきらした輝きは、日常の底から聞こえ、空から降ってくる傘みたいに自由です。
”月の明かりは暗闇を照らす声 きみの声は弱くかすれていく 塩の身体は、風に欠けていく 月が暗闇に覆われるたび わたしは死を経験する”
                         (『新生』)
 
” 涙が落ちる 理由は言葉の中にない だから私は 言葉の向こうへゆく”
                      (『言葉の向こうへ』)
 

作家紹介⑨海辺の墓地(@umbnbc2 )

裏表紙を担当。
『POP&END』の表紙が記憶に新しい海辺の墓地さんですが、今作もセンチメンタルと無常が融合した果敢なくも壮大なイラストを描いていただきました。
飛ぶ絨毯、はためくカーテン、無重力にめくられる本のページ、前髪が風にそよぎ、過去の記憶が過ぎていく、浮遊する薔薇、紙きれ、ひかり、風、そして後ろに広がる星空の背景……。いま・ここがすなわち宇宙であり、だれかから何を言われようときみの内面は絶えず拡張している。忘れられることもなく、ただわたしはそれを見ている……。
 

作家紹介⑩稲本ゆかり(@kzumchan )

短歌の連作を2つ掲載。
短歌や料理などで活躍されています。いつも瑞々しく、はちきれそうな果実、そんな風に乗って漂ってくる果実の匂いを、あの朝の、あの感じを、稲本さんの短歌から感じることができるでしょう。
 
”あなたの指に頬触らせてきわぎわと光、それしかもうわからない”
 
”あなたのいない街は平和であることのコーヒースタンドに夜の桃”
                      (『夜の桃』)
 
”いきなさい どこへ うれしい玄関の窓に光の差し込んでいる”
                      (『雨後の読点』)
 

作家紹介⑪複素数太郎(@Fukuso_Sutaro )

青本舎主催、Vtuberとしても活躍中。
散文詩「人生攻略サイト 信じたキッズが自殺」を掲載。表題作含め7編の詩篇。生のままの感情を料理に出すことは法律で禁止されているけれど、ちゃんと大丈夫になった複素数太郎は光回線を通じて、あなたにやさしい表情を向けています。あらゆるノイズアンビエントミュージックが流れています。データはちゃんと戻るので! 安心して下さい! 戻るので! 川で猫が溺れています。
”このもやもやした嫌な感じを消し去るために新しいパソコンを買いました
頭の中の人が言ってくる悪口を聞こえなくするために買いました
背伸びしてパソコンを買ったらお金が無くなりました
それくらい許してくれませんか
僕の空虚な生活を埋めるためのいろいろなことをこれからも続けさせてください"
         (『パソコンを買ったらお金がなくなりました』)
 
 

作家紹介⑫四流色夜空(@yorui_yozora)

だれにもわからない主催、精神の砂漠で活躍中。
2つの短歌連作、散文詩「空しか見えない」を掲載。過去さまざまな合同誌に寄稿し、短歌や小説を書いている。表現の起伏が乏しく、トンネルの中で目を細めがち。
 
”九回裏ブロンの切れた朝こえて雨ん中奇跡の変化球見せろ”
 
”姉ちゃんが縁側で痙攣してる週三バイトは無理だったらしい”
                   (『エーテル vs タナトス』)
 
”先生にシュヴァルツヴァルトの風よ吹け抱きしめる光はやわらかく洩れ”
                   (『オンリー・エア』)
 
 
購入はこちらからどうぞ https://yoruiroyozora.booth.pm/items/1565133
 
――暗闇のなかでは目を閉じるべきではなく、目を開いておくべきなのだ(Samuel Beckett)

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